前屈を深める~拮抗筋ワーク

身体をぺたーっと前に倒した前屈、憧れますよね。
前屈(パスチモッタナーサナ※)は「医者いらずのポーズ」と言われるくらい身体にとってうれしい効果がたくさんある反面、多くの方が前屈の時に膝裏が強くつっばる感覚があるのではないでしょうか。

身体を動かす時に、一方の筋肉が縮むと、拮抗するもう一方の筋肉は伸びるという性質が筋肉にはあります。例えば、肘を曲げると上腕二頭筋が縮んで力こぶができ、拮抗する上腕三頭筋は伸びています。
準備運動なしに前屈でいきなり身体を前に倒して「身体が硬いな」と感じる前に、拮抗する脚の前側を使うことで、自然とモモ裏やふくらはぎを伸ばしてあげましょう。

前屈で膝裏に強くつっぱり感がある場合は、モモ裏のハムストリングスとふくらはぎの下腿三頭筋が硬くなっている可能性があります。
骨盤から膝裏の骨に付いているハムストリングスと相反する動きをする大腿四頭筋は、膝を伸ばすことで強く働きます。
かかとから膝裏の骨に付いている下腿三頭筋と相反する動きをする前脛骨筋は、足首を曲げることで強く働きます。
この大腿四頭筋と前脛骨筋を意識して使うことで、自然と膝裏の筋肉を伸ばすことができますよ。
キックワークのやり方

・膝を曲げて座り、両手をお尻の後ろにつきます。
・足首を直角に曲げたまま右膝を伸ばして5カウントキープを5回程度行います。
・反対側も同様に行いましょう。
前屈を快適にできないブロックポイントは、足の裏からおでこまで繋がる筋膜のラインの中にたくさんありますが、こんな簡単なことでも前屈がかなりしやすくなります。
身体が硬いからと心にブロックをかけずに、前屈を深める方法の一つとしてこのワークを取り入れて楽しんでみてください。
マメ知識
※パスチモッターナーサナ(Paschimottanasana)
サンスクリット語で
パスチモッターナ(Paschimottana)=うなじからかかとまで身体の背面を強く伸ばすこと
アーサナ(asana)=姿勢、体勢
サンスクリット語のヨガのポーズ名は、「ポーズ名となる単語+asana」が合わさったもの。