冷えと生理痛

女性が人生において長い間付き合っていかなければならない生理。
「冷えは女性の大敵」と言われるように、生理からくる体の不調も冷えと大きな関係があります。


生理中は、子宮を収縮させて経血や粘膜を体の外に排出させる物質(プロスタグランジン※)が分泌され、この物質が痛みの元と言われています。

冷えとプロスタグランジンの過剰分泌の関係

体の冷え
  ↓
血行不良により排血能力が低下
  ↓
排血を促すためにプロスタグランジンの分泌量が増加
  ↓
子宮が過剰に収縮
  ↓
生理痛悪化

また、この物質は血管を収縮させる作用もあります。
血流が悪くなることで骨盤内にプロスタグランジンが滞り、痛みが強くなったり長引いたりするとも考えられています。
冷えが原因で起きてしまう生理痛には、日頃から体を温める工夫をしてスムーズな排血を促していきましょう。
そして、ストレスや生活習慣の乱れからくる自律神経やホルモンバランスの乱れも血行不良を引き起こします。
ヨガで骨盤周りの筋肉をしっかりと使い、体を温め、自律神経のバランスも整えていきましょう。

今回は骨盤周りの血流を改善し生理痛を予防する効果が期待できるヨガのポーズをご紹介します。

○開脚前屈のポーズ(ウパヴィシュタコナーサナ)

やり方

・両脚を左右に開いて膝とつま先を天井に向け、骨盤を立たせます。

・背筋を伸ばしたままゆっくりと体を前に倒し、数呼吸過ごしましょう。

骨盤周辺をストレッチして生殖器への血流を促し、骨盤の左右の歪みを改善するのに効果的です。

ふくらはぎの筋肉もストレッチすることで血の巡りも良くなり、全身が温まりますよ。

脚は無理に開かず、心地良い角度を保ちましょう。膝も軽くゆるめてOKです。快適に呼吸ができる範囲でキープしてください。

○椅子を使った開脚前屈のポーズ

やり方

・お尻の下と椅子の上にブランケットやクッションを置きます。

・両脚を軽く左右に開いて膝とつま先を天井に向け、骨盤を立たせます。

・ゆっくりと体を前に倒し、おでこをブランケットやクッションにあずけて数呼吸過ごしましょう。

椅子を使うと、より穏やかにリラックスしながら骨盤周辺をストレッチすることができます。

なお、重い生理痛の原因が子宮の病気である場合もあります。
生理痛でお悩みの方は、まずは迷わず婦人科を受診しましょう。

マメ知識
※『プロスタグランジン』
陣痛時にも子宮を収縮させるために分泌されている物質。
その他、痛みの発生、発熱、胃腸の働きにも関係しているとも言われています。
「痛み物質」と呼ばれるプロスタグランジンにはネガティブな印象を持ってしまいますが、生理を起こすのに必要な物質なので適切な時期に適量分泌されることが大切ですね。